ずっと前に読んだ本の中に、こんな言葉があった。
「目指すのは、F1ドライバーなのか?それともタクシードライバーなのか?」
同じ「ドライバー」でも、F1ドライバーとタクシードライバーでは、仕事の内容も、目的も、報酬も、ぜんぜん違う。一般的に考えれば、タクシードライバーよりも、F1ドライバーのほうが仕事にするのは難しいだろう。だから、F1ドライバーは憧れの対象になる。
デザイナーにも同じことが言えないだろうか?と私は思っている。どんなデザイナーを目指すのか?と考えたときに、みんながあこがれるような、「きれいなデザイン」をして、世の中に注目されて、いつも華やかで……みたいなのを夢見る人は、きっと多いんだと思う。
でも、私がなりたいのは、「タクシードライバー」だ。
タクシーに乗り込むお客さんが、その一瞬をいいと感じてくれる…そんな仕事がしたい。お金よりも、気持ちがほしい。「ありがとう」が、一番ほしい。技術とかインパクトとかよりも、地味でもいいから、お客が車を降りたときにいい気持ちになって、心からよかったと思ってもらえる仕事がしたい。
デザイン以外の仕事をしている私を「みじめ」だと思う人がいたり、デザイン以外の仕事を依頼して「申し訳ない」と声をかけてくれるクライアントもいるけど、それは大きな勘違い。デザインだろうが雑用だろうが、関係ないのだ。仕事の価値は一緒。それによって喜ぶ人がいれば、内容なんかどうでもいい。逆に、喜んでもらえそうなことならなんでもできるように、自分のスキルを磨いていかなければならないと思う。
私はデザイナーだからデザインが仕事なの!という人も確かにいるけれど、世のデザイナーみんながそういう人であるというわけではない。なのに、「デザイナー」はそういう人だという固定観念がある人が多いのだろうか?
私は、デザインだけで生きたくはない。デザインだけでは、人は喜ばない。
それに関わるいろんな仕事をやって、それが組み合わさってこそ初めて、感謝されるような、認められるような仕事ができるのではないかと思っている。
きれいごとと思われるかもしれないけれど、私は純粋に、本気で、そう思っている。3年前に開業したときから、この気持ちはまったく変わっていない。
今、ももさんのところを見て、あまりに同じようなことを書いていて、びっくりした。(私はこれを書いたあとで、読んだ)
ちょっと方向は違うけど、すごくびっくりしたので、トラックバックしておこう……。
おお、トラックバックにびっくりしたぞー。(笑)
この頃切におもうこと。
「出来る人」ほど「私は○○よっ!○○以外はしないのよっ」「今忙しいのよ、わたしは」てなことは言わないっすね。その時々に必要な作業をきっちりこなしている。中身でなく、その仕事がスムーズに完結することを優先。いろんな経験を楽しめる、その気持ち?心構え?がいい。
わたしも出来るだけ、そうありたいと思ってるけど、はて。実行できてるかしらん・・・(・∀・)
どうも、初コメントさせてもらいます!
今回の激しく同感です。特に「Webデザイナー」というカテゴリはグラフィックデザイナーとまた違ったものだと思います。単にかっこいいの作っても何もならないし、Photoshopいじっているだけでも役にたたない。結構右脳と左脳をバランスよく使わないとやっていられない職業というイメージがありますね。
職業柄、コラボレーションが絶対だと思うし、ひとりひとりが広い知識をもっていないといけないような気がします。僕も必要に応じてはプログラミングもしてますからね(肩書きはデザイナーでも)。柔軟にやっていかんと思うし、僕はその『広さ』みたいなものがWebの魅力だと思っています。
2003/11/23 21:57 ヤスヒサ>ももさん
お返事遅くなりましたですm(__)m
「忙しい」というのは、たいていは言い訳か、余裕がないかどっちかなんだと思います。
出来る人は、常に余裕があるし、言い訳なんてしなくても自分の意見をしっかり持ってるから、そういう言葉は出てこないんでしょうねぇ。<私は出すぎですが(爆)
>ヤスヒサさん
はじめまして!書き込みありがとうございます。
ヤスヒサさんのBlogは、よく拝見しています。
偶然Googleの検索で見つけたのでした。
そうですね、私ももしかしたら、そんな「広さ」が好きで、今までやってきたのかもしれません。まだまだ知識としてはどんどん拡げないといけないと思っているし、それが楽しみでもあります。終わりがない、極められないのが、面白いのかも。
>ummさん
はじめまして!いらっしゃいませ(^^)
感激していただけて、私も感激です(ややこしい)
この話は本のパクリですけど(^^;、読んだときは、すごく自分の思いが整理されたような気持ちになりました。目指す方向がはっきりしたという意味で、F1とタクシーの話を知ったことにはとても意味があったなーと思っています。
2003/11/25 05:30 Mayunezu