Blogにそんなに大きな期待はしていなかった。
流行には遅れてはいけない、という気持ちもあったと思う。
だけど、Blogを設置してみて一番変化したのは、自分自身だったのではないかという気が、今はしている。
このサイトが単独サイトになってから、2000年に今の仕事を始めるまでの1年半くらいの間は、毎日のように書いていた。ところが、在宅で仕事をするようになってから、突然何も書けなくなってしまった。書くこと自体が、すごく苦しくなった。それは、私がネットで仕事をするようになったことで、仕事に対するいろいろな思いをネットで吐き出すのが難しくなったからだった。
今の仕事を始めて、今までできなかった経験がたくさんできたし、素敵な出会いもたくさんあった。会社員時代よりもずっと視野が広くなったと思っていた。だから本当はこのサイトにも書けることがたくさんたくさんあるのに、あまり正直に気持ちを書きすぎると仕事に差し支える場合もあるということが、常に心にひっかかっていた。
これが思い込みだったと気づいたのが、このサイトをリニューアルする少し前だった。
10月はじめに大阪で行われたオフ会へ出かけ、あるイラストレーターさんとその友人と話をしたのがきっかけで、「スイッチが入った」。
今の仕事をして3年、実は視野が思いっきり狭くなっていることに気づいた。ずっと家で仕事をしていて、「人と話をする時間」がものすごく減っている。話をするとしても知っている人とばかり。新しいリアルな出会いなんて、クライアントくらいしかない。1日のうちで、「声を出す」ことさえ、ほとんどしていない日々だった。
実は、今年に入ってからは、人と話すことが面倒になり、買い物に出ることも苦痛になっていた。そういう自分を否定したくて、今年は全国あちこちのオフ会に出かけた。飲み会にもたくさん行った。行けば楽しいのだけど、行くまでのモチベーションを維持するのは、結構きつかった。
視野が広くなったと思っていたのに、実は逆だったのだ。いつのまにか私は自分で自分の世界を作り、そこに閉じこもっていることで満足するようになっていた。
Blogを立ち上げたことで、「回りを見る」というエネルギーが生まれた。
アンテナの感度が急に上がって、自分に入ってくる情報が一度に増えて、今はその処理がしきれていない。飽和状態。ここに書けることがたくさんありすぎて、何から書いていいのか分からず、気持ちだけが空回りしている。
フリーになる前の自分に、タイムマシンか何かで引き戻されるような感覚。
過去に戻ることがいいことなのかどうか分からないけれど、今は、すごくこれがうれしいと感じている。
